さて、今回のスタジオ活用術は、ドラムの録音についてです。といっても本格的なレコーディングスタジオで見かけるようなマイクをいっぱい立てて、時間とお金をかけて音に拘りまくるようなスタイルではなく、時間とお金をかけずに簡単に録音する方法をみなさんとシェアしたいと思います。上手くやれば、なかなかのクオリティでレコーディングできますよ。

尚、DAWソフトやマルチトラックレコーダー等の録音、編集環境が整っていることが大前提ですので、予めご了承ください。


1.ステレオハンディーレコーダーでドラム全体の音を拾うようにセッティング。

ハンディーレコーダーzoom/Q2n

まずドラム全体の音を収音すべく、ステレオハンディーレコーダーをドラム上部から全体を狙うようにセッティングします。上写真のようにドラム前面から狙うと、胴鳴り成分を抑えたアッタック重視な音。逆にドラマーの頭上からドラムセットを狙うと適度に胴鳴り成分が付加された音になります。(お好みで)しかし、このセッティングだけだと、キックの音が弱いので。。。


2.バスドラム用マイクをセッティング。

バスドラム用マイクをセット。AKG D112

キックの音を拾うべくバスドラ用マイクをセッティングします。(ゴンスタでは定番のAKG D112をレンタルしております。


3.録音レベルを調整しつつレコーディングスタート。

ドラムの人はヘッドフォンやイヤホン等でクリックや音源をモニターしながら叩きつつ、録音レベルを調整します。(レベルオーバーにならないように慎重に)レベル調整が完了したら、録音スタートです!バスドラ用と、ハンディーレコーダー用と別々のトラックに録音しましょう。


4.録音が完了したらミックスダウン。


・まずベースとなるキックの音から。

今回は、超簡単にイコライザーとコンプレッサーのみを使ったミックスネタです。まずハイパスフィルターを20Hzくらいで入れます。次に低域部分を作るべく、100Hzあたりを持ち上げます。(自分の耳で確認しながらい〜感じのところまで上げます)次に中低域200〜500Hzあたりをカットして音の締まりを出していきましょう。(やり過ぎると抜けない音になります)皮の音が足りないと感じたら1kHzあたりを若干ブーストします。4kHz あたりをブーストするとヌケが良くなりますが、若干下品な音。8kHzあたりをブーストすると自然で上品な音になることが多いです。

次にコンプレッサーをかけます。RATIOを4:1程度。ピーク時に-5VUくらいのかけ方が無難でしょう。アタックは最速、リリースは300msくらいを軸に微調整しましょう。


・ハンディーレコーダーのドラム全体の音調整。

最近のハンディーレコーダーは、すごくいい音でレコーディングできます。使用するのはイコライザーのみ。まずハイパスフィルターを50Hz〜100Hzくらいで入れます。次にシェルビングイコライザーで10kHzあたりをブーストしてくもりを除去します。これでシンバルの音だけでなく、ドラムセット全体の雰囲気を付加できます。


・キックのトラックとドラム全体のトラックのバランスをとる。

まずキックのトラックの音だけを出して、ステレオVUメーターが大体-5VUあたりまで振れるように音量を調整します。このキックの大きさを基準にして、ハンディーレコーダーのドラム全体の音を足しつつバランスをとってあげれば完成です。あとはマキシマイザーなどで全体の音圧を調整して、叩いてみた動画や音源制作などなどフル活用していきましょう!!


上記方法で録音したゴンスタサンプル動画。

イントロ以外のドラムを叩いているシーンは、この方法で録音しました。是非ご視聴・チャンネル登録宜しくお願いいたします。


以上、超簡単!セルフレコーディングでドラムをレコーディングしてみよう!の解説でした。こだわりだしたらきりがないレコーディングですが、上記の方法で行えば、かなり簡単に録音出来ますよ。また、マイクやハンディーレコーダーを立てる位置によって録音された音が面白い程変化しますので、ご自身の耳で確認しながら、自分好みの音やセッティング方法を確立していくこともレコーディングの醍醐味です!是非みなさんもトライしてみてください。

最後まで読んで頂きありがとうございました。何かセルフレコーディングに関してご不明な点がございましたら下記までお気軽にお電話くださいませ。


記事執筆者
ゴンスタマスターこと吉原基夫
profile:ゴンスタジオ代表。2006年6月にゴンスタジオを設立。経営者、クリエイター(音楽・写真・動画・WEBデザイン)として、よりスタイリッシュかつ、よりクリエイティブな音楽空間を実現すべく飽くなき挑戦を持続中。


ゴンスタジオ
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